人生を逆転させる、通勤時間の徹底活用術

『30代で人生を逆転させる残業0の時間術』(石川和男著、CCCメディアハウス)の著者は、5つの仕事をしているという人物。平日の朝8時30分から夕方5時までは建設会社の総務経理、毎週日曜日の朝9時から夕方5時までは大原簿記学校の簿記講師、月2回の土曜日にプレゼン力養成学校主宰、平日の夜に税理士とセミナー講師を務めているというのですから、かなり忙しそうです。

しかし、それでも「飲み会や遊びに行き、家族と映画やDVDを見て、今までの人生の中で一番楽しく過ごして」いるとのこと。だとすれば、限られた時間をいかに使うかがポイントになるわけで、本書ではそのために必要なテクニックが紹介されているわけです。ちなみに読んでほしいのは、次の項目にひとつでも該当する方だとか。




・その他大勢から抜け出したい方
・朝は起きられない。気分が乗らない。気分がすぐれない方
・残業せずに帰りたい方
・楽しく仕事をしたい方
・仕事に追われている方
・面倒な仕事を先送りにしてしまう方
・忙しいのに成果が上がっていないと感じる方
・どうやって時間を使ってよいか分からない方仕事の依頼が同時並行的に入ってきてイライラしている方
・優先順位をつけられない方
・優先順位をつけたけれど、順番どおりにできない方、など
(「おはようございます──まえがきに代えて」より)




本書はビジネスパーソンのライフスタイルに合わせ、「起床」「通勤準備」「通勤中」「始業前」「始業」「午前中」「ランチ」「午後」「帰宅」「就寝」という章立て。そのなかから、きょうは「CHAPTER 3[通勤中] その他大勢から抜け出すための出社の技術」に目を向けてみましょう。通勤時間を、人生を変えるために使う


東京都内に通うビジネスパーソンの平均通勤時間は、片道およそ1時間、往復で2時間。年間に270日勤務するとすれば540時間におよびます。だからこそ、この膨大な時間を有意義に過ごすことが大切で、そうすれば人生は劇的に変わると著者は記しています。

加えて重要なのは通勤手段。ポイントは、どんな手段であったとしても「本を読めるか、読めないか」の2種に分けられるといいます。そして、本を読める環境にいるなら、迷わず本を読むべき。著者の言葉を借りるなら、「本を読める環境にいる人は、それだけでラッキー」。たとえば資格試験や語学の勉強をしている人であれば、通勤は絶好の勉強時間に。電車なら、その空間を自分の書斎に変えることができるという発想です。

ただ、読めない環境の人にとっては困難なこと。とはいえ、いまの時代には「耳で読む本」といわれるオーディオブックがあります。書籍や講演会、セミナーなどを音声化したもので、インターネットで音声ファイルをダウンロードすることも可能。簡単に入手でき、内容も充実しているため、これを利用すればいいわけです。

つまり環境がどうであれ、勉強する手段は必ずあるということです。ただし本やオーディオブックは、仕事か勉強に関するものだけに絞ることが大切。